Apple公式サイトにある日本語フォントの秘密

iPhoneiPadでおなじみのApple公式Webサイトには、数年前からAXISフォントが使用されています。当初は画像にのみAXISフォントが使用されていましたが、2014年ごろからAXISフォントをベースにした"Apple TP"という専用のWebフォントが登場し、サイト全体にAXISフォントが使われるようになりました。

 

しかし、Apple TPは普通のAXISフォントではありませんでした。実はApple TPはMyriadとAXISフォントを合成したものだったのです。日本語だけ英数字のフォントが違う違和感を無くすために行ったものなんでしょうか。

Apple TPには3種類のウェイトがあります。調べたところ、既存のAXISにあるウェイトをベースにしているみたいです(実物のファイルを持っていないので分かりませんが)

Apple TP Text〈AXIS R(レギュラー)がベース〉

Apple TP Thin〈AXIS L(ライト)がベース〉

Apple TP Ultralight〈AXIS UL(ウルトラライト)がベース〉

このApple TPが使用されてから2年以上経った2017年1月、突如新しいフォントに変更されました。それが"SF Pro JP"です。

SF Pro JPは、Myriadの代わりにAppleが開発したSan Franciscoと合成したAXISフォントですが、今回はAXISのグリフにも手が加えられていました。ひらがな・カタカナの濁点と半濁点が太くなっています

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すでにこの画像でお気付きの方もいると思いますが、そもそもウェイトすら違います

AXISフォントでは7種類のウェイトが用意されているのに対し、SF Pro JPはなんと9種類のウェイトが用意されていました。SF Pro JPはWebサイトからダウンロードしたとしても壊れていてインストールできない仕様とのこと。そのため詳しい調査はできませんでしたが、少なくともSF Pro JPにはSemiboldとBlackという独自のウェイトが存在していることが判明しています。Appleのサイトで主に使用されているのもSemiboldでした。

Appleは我々の予想を超えるような事をしてくれます。SF Pro JPにはAppleがさりげなく出した"独自性"が隠されていることがわかりました。さすがはAppleです。